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産業廃棄物のハマを再利用

column | 2016/01/18 手づくり 知恵袋

暮らしに根ざした生活雑器をつくり続ける肥前吉田焼

肥前吉田焼は、400年以上の歴史を持つ嬉野の焼物。
あまり知られていませんが、有田焼の下請け産地として、蓄積された技術力と質の高いものづくりを続けてきました。有田焼といえばきらびやかな絵皿や壺などの美術品や贅沢品で有名ですが、吉田焼は日常的な生活食器の産地として、陰ながら焼物文化の発展を支えてきました。
肥前吉田焼のハマを使ってつくった壁

焼物をつくるときに出る大量の産業廃棄物

素焼きのときに使う窯道具「ハマ」。焼物の下敷きに使う、収縮する焼物が割れたり変形するのを防ぐための道具です。このハマはなんと使い捨て。捨てるのにもお金がかかるので、吉田焼の産地・吉田地区には、使い捨てのハマが、砂利のようにゴロゴロと転がっています。
肥前吉田焼のハマを使ってつくった壁

嬉野にある素材を使って

捨てるにはあまりにもったいないハマを、窯元から大量にもらって、嬉野交流センターの壁にタイルのように貼りました。ハマは嬉野交流センターのお隣、224 porcelainの窯元・辻さんに提供してもらいました。粉が付いて汚れたハマを、商店街の人たちと1枚1枚洗うこと、その数3000枚!嬉野にはこんなもったいない資源が眠っているということ、肥前吉田焼をいろんな人に知ってもらいたいという思いは一緒でした。
肥前吉田焼のハマを使ってつくった壁

ハマに願いを。

そのハマを壁に貼る作業は、地元の人たちに呼びかけてDIYでつくりました。飛び入りで旅行客の方もたくさん参加してくれました。みんなの願いが、この交流センターで叶うといいなという思いを込めて、ハマの裏面には願いごとを書いてもらって。
一枚一枚に思いがつまった『HAMA WALL』。
嬉野交流センターがいろんな人たちと嬉野の魅力をつないでいく架け橋になることを願って。